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2011年05月21日

天竜市の観光資源としての価値 (2007年11月5日の記事の再録)

2007年11月05日/浜松・日本未来研究会ブログより


浜松市民はあまり気が付いていないみたいだけど、天竜市を合併したのは大変ラッキーなことだと思います。

観光地として非常に魅力的な資源なのです。

旧天竜市民だから言うわけではなく、客観的にそう思います。

最大の理由は秋野不矩美術館です。

秋野不矩美術館は秋野さんがまだご存命中の1998年に竣工しました。設計は藤森照信という建築史家です。公共建築にもかかわらず、秋野さん自身のご指名ということで藤森さんが好きなように建てました。

当時はいろいろ言われましたが、結果的に素晴らしい建物になったと思います。工業製品嫌いの藤森さんのこだわりはアプローチの電柱の材質にまで及びます。建築専門誌の「新建築」「日経アーキテクチャー」両誌とも「表紙」と「巻頭」を飾った建物は非常に稀です。全国からそれを見るだけのためにやってくる建築好きも大勢います。

そして、それ以上に素晴らしいのは秋野不矩さん自身の日本画作品です。秋野さんは日本を代表する女性日本画家として長く活躍されました。その素晴らしさを理論的に説明することはできません。僕はどんな高名な画家の企画展が来ても常設されている秋野さんの絵の方を見ていたいと、いつも思います。正当な審美眼を持った美術研究家ならば秋野さんの画家としての才能と功績を認めない人はいないはずです。

建物も作品も本物中の本物なのです。自分の街にこんな奇跡的な場所があるなんて僕はいまだに信じがたいんですよね。東京に住んでいたってこれだけ素晴らしい絵を鑑賞するためには電車や地下鉄を乗り継いで最短でも30分くらい掛かりますからね。

この施設を核にして、大分の湯布院や長野の小布施のような観光戦略を目指せば成功は間違いないと思うんですよね。

ところが、秋野不矩美術館の周りには10年近く経った今も何も無いのです。落ち着いて軽い食事ができる場所があるだけでも全然違うと思うのですが、だれも試みません。これはまったく理解ができません。

二俣の街は実はかなり潜在的な魅力を持った街です。この街は歴史も古く、昔からの魅力的なたたずまいを残した建物もかなりあります。商店街を戦略的(昭和レトロ路線とか、宿場町の再生路線とか)に作っていけばそんなに苦労もせずに新たな魅力を発揮できると思います。

残念ながら温泉はありませんが、まぁ、温泉に関しては舘山寺という強力な駒を浜松市はもっているわけですから、別の路線を狙うのが正解でしょう。足湯ぐらいは作ってもいいかな?

それからもうひとつ、屈指の音響設備を誇る壬生ホールがあります。設計は静岡の建築家、高木滋生さんです。このホールは507席しかありませんが、とってもいい企画が行われます。

もし、遠鉄が「西鹿島」を超え、「遠州二俣」まで乗り入れれば眠れる天竜がきっと目覚めるはずです。観光地としての目指す姿を地元が共通認識し、じっくり本物を作っていけばやがて湯布院(年間400万人)を越える観光地になれると僕は思っています。


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Posted by はままつ未来会議事務局 at 12:50│Comments(0)中心市街地活性化
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